開会中の 長野市議会12月定例会で行なわれた「個人質問」で登壇、質問項目(やり取り)について 順次レポートさせていただいております。
12/6の本ブログでお伝えしているとおり、この議会での私の持ち時間(実質の発言時間)は7分となっており、その時間内に収まるように質問項目を揃え 順次発言してゆきます。
その(持ち時間7分の)ため、項目は多くて3つ程度に止(とど)まるを余儀なくされ、したがって この日レポートさせていただくのが最後(3つ目)の項目となります。
その3つ目の項目は「若者が安易に犯罪に加担する社会状況への対策について」でありました。
今回 私がこのことを質問項目に挙げたのは、他でもなく昨今 社会を震撼させる「匿流(トクリュウ)/匿名・流動型犯罪グループ」 による いわゆる〝闇バイト〟が引き起こす犯罪が常態化していることに強い憂慮の念を覚えると同時に、国を初めとする行政サイドの対策が 足りないというか浅いというか…その政治姿勢そのものに憂慮(疑問)を抱いたからなのです。
このことについては、12/5の本ブログでも触れておりますが、国の長(おさ)たる総理大臣をもってしても、かかる〝闇バイト問題〟の対策については、一にも二にも警察力や防犯の強化などの〝対処療法〟を述べるに終始しており、そこには 今の若者が社会で抱える問題や、本来は庇護(ひご)すべき長寿者(高齢者)を手にかけるような道徳心の欠如などの「根本的な問題」に心を砕く姿勢が見えなかったのでした。
私は、このような〝表面的な政治(行政)の姿勢〟に憂慮(疑問)を抱き、しかして、長野市においては〝問題の本質〝に心を致してもらいたい との「願意(がんい)」をもって質問に臨んだのでした。
主に高齢者を狙う特殊詐欺については、古くは「オレオレ詐欺」昨今では「匿流(とくりゅう)」なる いわゆる〝闇バイト〟による犯罪ですが、私は先ず、長野市における近年の犯罪発生や被害の状況について聞きました。
それによると、長野市内における犯罪の発生件数(R6.10月時点)は、空き巣や万引きなどの類(たぐ)いの犯罪が1,185件に亘って発生しているそうです。
[参考]長野市内の刑法犯認知件数(長野市HP)
↓
https://www.city.nagano.nagano.jp/n085000/contents/p005557.html
さらに、昨今 頻発している「電話でおカネ詐欺」などの特殊犯罪(R6.10月時点)は、件数こそ28件程度ですが 被害額が大きい。長野市だけで特殊詐欺の被害額は 約1億4,500万円にも上(のぼ)っているのでした。
[参考]長野市内の特殊詐欺認知件数(長野市HP)
↓
https://www.city.nagano.nagano.jp/n085000/p005557.html
そこに加えて、今や「匿流(とくりゅう)」による闇バイト強盗など新手の犯罪の遍在化が問題となっていますが、この新手の犯罪は、ここ長野市でも起きる可能性が考えられます。
これら(匿流強盗)は 今のところ都市部で多発していますが、私は 長野市の都心からの交通アクセスの良さが、長野市内でも犯罪発生の可能性の火種になるのでは…と心配しています。
例えば、首都圏に居る実行犯が 指示役に言われるままに新幹線に乗れば、僅かな時間で長野市に着くことができるのです。
そうなると〝首都圏だから危なくて田舎は安全〟との いわば「正常化バイアス(自分とこだけは大丈夫との考え)」は通用しなくなります。
現下の 新幹線などによる首都圏との交通アクセスの良さは、匿流犯罪グループが 下手をすれば〝日帰り日程〟でひと仕事して帰京することも可能にするところであり、そういう面では長野市(市民)とて標的になる可能性が想定されると 強く憂慮するところです。
それらを踏まえ、長野市においても県警などの関係機関と連携し、被害の未然防止と被害最小限化に努める必要があるとし、長野市の状況を質しました。
これについて 市(地域市民生活部長)は、回覧板や市政チャンネル(テレビ)・また市内に設置されておるオーロラビジョンで市長ご自身がアナウンスされるなどして注意喚起している旨を答弁されました。
いずれも、犯罪そのものへの対応…いわば〝対処療法〟として防犯を行なっている旨の説明でありました。
その上で、で あります。
私は、これら凶悪犯罪の実行犯となっているのが多くの前途ある若者であることにも憂慮を覚え、かかる(未来ある)若者たちが安易に犯罪に加担する状況に何らか手立てが打てないかと思う者の一人であり、そのためには、安易に犯罪に加担してしまう若者の「意識」を変える(道を過(あやま)てることの無いよう計らう)ことが肝要ではないかと思うのです。
(これも従前に触れたように)無論 この〝若者問題〟の通底には「若者の貧困問題」があると思います。
有為な若者が貧困に喘(あえ)ぎ、結果 半ば自暴自棄になって闇バイトに応じる。この〝負のスパイラル〟を打開するためには、理想的には 若者が闇バイトなどに加担しなくてもマトモに暮らしてゆけるような社会経済基盤を構築しなければならないのは言うまでもありません。
この点は(やはり触れたとおり) 国(国政)レベルの課題であり、国会において議論すべきところなのに、例えば総理の所信表明で全く触れられていなかったことは残念に尽きないところでありました。
そのうえで、私が憂慮する 犯罪に安易に加担する若者があまりに多い状況…この〝もう一つの背景〟には、今の「教育」に課せられる面が多いのではないかと思うのです。
闇バイトに応じることで、後の人生が破綻してしまうことに思いを及ぼさない考えの安易さ・わずかなカネのために他人 それも本来は思いやるべき存在の高齢者を傷つける道徳心の欠如など、若者が道を過(あやま)てる前に立ち止まりヨク考えることができる素養が欠けているのではないか、若くして犯罪者のレッテルを貼られるようなことにならないためには、若い世代のうちの総合的な教育が欠かせないのではないか思うのです。
そのためにも、未来ある若者が〝大人の扉〟を開けてしまう前の段階、社会常識を身に付け始める若年者(中学生)のうちに 学校現場等で犯罪抑止に向けた教育を行なうこと、また、警察官の派遣指導等 関係機関とも協力して生徒指導を実施するべきではないかと考え、市の姿勢を質しました。
これに対し市(市教育委員会)は、概して一般論ではありましたが、私の投じた質問の趣旨を理解してくださり 中学生段階での総合的な学習の重要性・必要性について意を同じくしました。
さらに(前述のように)私が憂慮するのが、闇バイトに応じる若者たちの多くが 罪も無きおじいちゃんおばあちゃんたちを手にかけ、ときに傷つけてまで金品を奪う蛮行を為(な)していることです。
これは明らかに「他者(とりわけ年長者)を思いやる道徳心の欠如」に他ならないところであり、ここには正(まさ)に 児童生徒の段階での「道徳教育」が欠かせず、もし それ(道徳心)が根ざしていれば、安易に高齢者を標的にした犯罪に加担するのを押し止(とど)まる勇気を持てるのではないでしょうか。
言うまでも無く、これら情操に関わる教育(意識づけ)は一朝一夕には成らず、(前述のとおり)若年の頃からの教育や社会環境が適切に為(な)されることが肝要であると申せます。
この 私の主張(若年期の道徳教育の重要性)についても、市(教育長)も同意の意を示されたことから、今後も長野市において道徳教育がさらに充実することを期待したところです。
首都圏で暗躍する〝闇バイト〟これに応じる若者の中の相当数の者は おそらく田舎から上京し生活困窮に陥ったもの(者)であることでしょう。
せめても、長野市出身の若者が そんな非道な行為に加担するようなことの無いよう、若年世代からの「教育」を遅滞なく粘り強く行なってほしいと念じたところでありました。



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