来年度、長野市域内を流れる「犀川」の河川敷に「ドッグラン」が造成されることになりました。
この件(事業)については、12月議会で予算計上(可決成立)され さきのローカル紙々面にも掲載されました。
この新たなドッグランは、いわば〝時代の求め〟によって設置されることになったと申せます。
ご案内のとおり、犬やネコなどのペットを飼う世帯が増えている中 とりわけワンちゃんについては散歩など戸外へ連れ出す機会が多いことから、安心して時間を過ごせる場所の提供が求められています。
ところが長野市においては、多くの公園について 犬の連れ込みが条例で規制されている状況にあり、市内外から「長野市は愛犬家に厳しいまち」との悪しきレッテルを貼られることとなってしまっています。
このことについては、私も愛犬家グループなどからの要請を受け 規制の緩和について働きかけを行なっており、最近ようやく 市も柔軟な姿勢を示すようになってきました。
そんな中、それ(公園での規制)とは別に設置されることになった新たなドッグランは、犬と飼い主の〝新たな居場所〟として大いに活用されることが期待されるところでありましょう。
市によると、比較的土地に余裕のある河川敷へ約1,200坪(4.000㎡)の、北信エリア最大のドッグラン設置の運びとなり「愛犬家に厳しい」とされる長野市にあっては〝大盤振る舞い〟と申せます。
で、この事業については、この議会に「繰越明許費補正」として上程(可決成立)されたことから、私の立場で 議会の最終日(16日)に「討論」として意見を述べさせていただきました。
私は この「大規模ドッグラン設置」について 3つの点について評価し、一方で いくつかの課題があること、そして それら諸課題への対応が、取り分けて部局横断的に取り組まれるべきであると考えたところです。
まず評価する1点目は、今回のドッグランの場所を、河川敷の有効利用により設置したことです。
今も、さまざまなジャンルでの市民要望が挙げられていますが、市域内の土地などのスペースには限りがあり難しい面が多いところですが、施設を所管する都市整備部(公園緑地課)においては 自らが専ら所管する「公園」に拘泥(こうでい)せず「河川敷」に着目したことは 柔軟な発想として評価されるところです。
2つめの評価は、所管を超えてドッグラン設置に臨んだことです。
ご案内のとおり、河川敷は「建設部河川課」の所管であり、また その利用については、上部組織の「国交省北陸地方整備局千曲川河川事務所」の厳しい管理下にあるところですが、今回 長野市の公園緑地課と河川課は、所管を超えての協力の下で 河川事務所の理解を得たうえでドッグランとしての使用の許諾を受けたことと拝察され、その協働の取り組みは改めて評価されるところです。
3つめの評価は、今回の大規模ドッグラン設置により、長野市につきまとう〝悪いイメージ〟の回復に貢献することが期待されるところです。
顧(かえり)みれば 長野市においては、市内善光寺そばにある「城山公園」の花壇を とある飼い犬が踏み荒らしたことをキッカケに、昭和41年に「公園内での犬の散歩を禁止する都市公園条例」が制定され、以来、公園内へ犬を引き連れて入ることが厳しく規制されることとなりました。
「日本公園緑地協会」によると、公園への犬の立ち入りを禁止する条例は全国的にも珍しく「長野市は愛犬家に厳しいまち」という悪しきレッテルを貼られるようになってしまいました。
ところが、昨今の愛犬家のマナー向上や世論の変化により、徐々に犬の連れ歩きに対する視線も柔軟になってきたところです。
[参考]長野市内で犬と散歩のできる公園/長野市HP
↓
https://www.city.nagano.nagano.jp/n202500/contents/p001051.html
そのような中で、今回の「河川敷大規模ドッグラン設置」です。
このことは、長野市も「犬を愛玩することに対し理解をもって施設を整備してくれた」との好評価につながり、これまでの長野市へのイメージを挽回するキッカケになることが大きく期待されるところです。
市内2箇所目・北信エリア最大級とされる新たな河川敷ドッグランが、市内外の多くの愛犬家におおいに利用されることを期待するところです。
一方で、今回の大規模ドッグランの設置に伴い、新たにさまざまな課題が生じることが懸念されます。
そして、ここが演説の肝なのですが、それら懸念される諸課題については、所管の公園緑地課だけの裁量や判断で対応しないこと・課題発生の初期のうちに部局を超えて情報共有し、適切に市民対応にあたるべきことを強く申し上げました。
(と いうのも、このドッグランを所管する「公園緑地課」は、さきに「青木島遊園地廃止問題」において、市民の苦情を子ども関連の職員と連携すること無く単独で対応し、かえって問題を大きくしてしまった前歴があることから、今回もそのような悪しき轍(てつ)を踏まないよう〝釘〟を刺したところです)
まず「北信エリア最大級」のドッグランにおいては、ワンちゃんたちは、あたかも野原を駆け回るが如く全力疾走でき、その興奮度も相当のものになることが予想されます。
その際に懸念されるのが、興奮した犬同士の喧嘩や噛みつき合いなどの犬同士のトラブルであり、また 中には、ドッグランの中にいる自分より弱そうな生き物=すなわち子どもや女性に被害を及ぼす可能性が生じるということです。
この議案のサブタイトルが「ペットと楽しく遊べる公園の整備」であることをしても、この大規模ドッグランには子供たちも入り、共にワンちゃんと遊ぶことを想定されていることでしょう。
飼い犬を巡る所管や対応・相談窓口は「保健福祉部・市保健所食品生活衛生課(動物愛護センター)」であることから、万が一に飼い犬を巡るトラブルが発生した際には、施設を所管する公園緑地課は、自分たちだけの判断で慌てて対応せず、直ちに保健所の所管課に連絡し、両課の職員が連携して適切に市民対応に当たるようにすべきです。
このことは (前述のとおり)さきに 子どもの問題(遊園地廃止)について所管課(こども政策課)との連携が無いまま、公園緑地課が単独で市民対応を行なったことで問題をこじらせてしまった〝失敗例〟を踏まえての提言です。
特に 昨今の愛犬家は、飼い犬を溺愛するあまり非常にデリケートな気質な人も居(お)られ、ささいと思えるトラブルが大問題に発展してしまうことも想定(懸念)されることから、初期対応を見誤って せっかくの施設に悪評が及ぼされるようなことにならないよう、問題発生の際には 初期のうち部局を横断して連携したうえで適切な対応に臨むよう強く意見いたしました。
したがって、今回の大規模委ドッグランの整備に当たっては、都市整備部のみならず「保健所」においてもアンテナを上げ、不測の事態(飼い犬トラブル)の際には迅速に連携できるよう併せて述べたところです。
また、ドッグランについては「ワンちゃんにとっての環境整備」はもとより「飼い主にとっての環境整備」が重要視され、課題となることを申し上げました。
当該の犀川河川敷には 日差しを遮(さえぎ)る木陰などが無く、夏場は炎天下に晒(さら)されることになります。
そんな環境は、当のワンちゃんたちは平気でも 飼い主たる市民に熱中症などの危険が及ぶことになることから「ワンちゃん対策」より「飼い主対策」に心を砕く必要に迫られることとなるでしょう。
特に飼い主を日差しから守るタープなどの熱中症対策は必須と申せます。
また、河川敷の施設において重要な問題となるのが「トイレと水問題」です。
もとより残念ながら、当該の犀川河川敷のトイレ事情は、利用する市民から非常に厳しい評価を受けています。
点在する仮設トイレは旧型で経年劣化も著しく、カギが壊れて使えないものがあったり、以前には少女ソフトボールの小学生女児が、使用した後にカギが開かなくなり閉じ込められてしまうなど、多くの市民から現時点でも改善の要望が次々と寄せられているのが現状です。
そこで 今回の大規模ドッグラン設置を契機に、周辺のトイレ整備を抜本的に行なうこと、このことについてはスポーツ課とも横断的に連携し、市内外から多くの愛犬家が集うことを想定したうえで、利用者に快適なトイレ環境を提供できるよう取り組むべきことを強く申し上げました。
さらに、今後「芝生化」に向け取り組むよう委員会でも要望が出されており、このこともいずれ実現しなければならない課題と申せますが、それ以前に、当該の犀川河川敷には「イシクラゲ」なる不快かつ転倒の危険性がある海苔のようなものが大量発生していることから、この物の除去も欠かせません。
雨上がりにこの「イシクラゲ」を踏むと、ヌルっと滑って転倒する危険性があることから、とりわけ大型犬や飼い主さんの事故防止のためにも予め完全に除去する必要があります。
いずれにいたしましても、今回の大規模ドッグランが、本市の新たな魅力創出の拠点として、多くの方々に、安全かつ快適に活用されることに大きな期待を寄せ、討論といたしました。
私自身 愛犬家の一人として、また いち市民として、さらに議会人として、今回の「大規模ドッグラン」の行く末(成果)を大いに注目しています。
長野市が「愛犬家にも優しいまち」として脱皮できるか・過去に汚点を残した所管課が、今度は課題に適切対応できるか…いろんな意味での〝注目点〟があるところです。








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