2024年12月10日火曜日

障がい者支援の新制度 =就労選択支援= 

 地域で障がい者(主に知的障がい者)支援に取り組む方(Kさん)から、国(厚生労働省)による 障がい者の就労に関する〝新たな取組み(施策)〟が進みつつあることを知らされ、長野エリアにおいても早期に対応(導入)すべきと促されました。


その 新たな取組みとは『就労選択支援』というものだそうです。

これは、厚労省が諮問する「社会保障審議会障害者部会」が、同省が示した報告書案を了承したもので、現行の「障害者総合支援法」の改正の遡上に載るもの とのことです。



『就労選択支援』とは「働く意志のある障がい者さんの希望に基づき、就労能力や適性・配慮事項などを整理・アセスメント(適切対応)し、それに合致した 一般就労と福祉サービスの事業所の選択を可能にする」旨の取り組みだそうです。

Kさん曰く「今は、障がい者さんが働きたいと希望したときには、施設やサビ管(サービス管理者)など〝周囲〟が「これをやりなさい」的な導きで、いわば否応なしに役務(仕事)が決められています。そのうえで、この新たな取り組みは、あくまで本人の希望を大前提として役務の選択ができることから、より意欲をもって役務に臨むことができるようになるの」とのこと。

そのうえで「私たち一般人だって「職業選択の自由」に基づき仕事を選んでいるのだから、障がい者さんだって同じ権利が与えられて当然よね。」と言(ご)ちておられました。


[参考]『就労選択支援』の概要(紹介サイト)

         ↓

https://shigoto4you.com/employment-selection-support/


この新たな取り組みを聞いた私は、意欲ある障がい者さんが自発の意思をもって役務を選ぶことができる道筋ができることに喜びを共有する一方で、この『就労選択支援』が成果を挙げるために〝欠かせないもの〟があることを実感しました。

それは「周囲の者(施設や所属団体スタッフ)の、支援に向けたスキル(水準)の維持向上」です。

いくら障がい者さん本人に意欲があって選択の権利があったとしても、それを支援する周囲のスタッフが 当事者の意欲・意向・状況・可能性などを適切にシュミレーションする能力を備え、そのうえで(当事者さんに)適切対応(アセスメント)してくれないことには、この せっかくの新たな取り組みも〝絵に描いた餅〟になってしまうのではないでしょうか。


これまでも、障がい者さんの社会生活・施設での活動の中で発生した課題(問題)の陰(かげ)には、必ずと言ってイイほど〝スタッフの問題〟が見え隠れしていました(但し その多くは表(おもて)に出ないまま雲散霧消していますが)。

そのうえでの、形は理想を謳(うた)う『就労選択支援』の登場ではありますが、(前掲のとおり)主役である障がい者さんの意識以上に、それを支える〝周囲の者〟が相当の意識改革と新たな感性を醸成してゆく必要があることを実感したところです。


そんな中 、この『就労選択支援』のマニュアルの中に「ジョブコーチ」や「就業支援担当者」なる人材が置かれることが示されており、耳目を引かれました。

どうやら 国(厚労省)も、専ら就労を支援する人材の必要性は認識しているようで、それら〝サポートスタッフ〟の育成にも取り組むようであります。







このこと(支援する人材の重要性)については、件(くだん)のKさんも共通認識でおられ「厚労省の肝煎りで始まろうとしている就労選択支援』については、一日も早く私たち関係者が情報を先取りすると同時に、人材育成に取り組まなければならないわね。」と強調されていました。

ところが残念ながら、行政(長野市)の姿勢は 相変わらずの〝待ちの姿勢〟に終始しています。

今回の就労選択支援』については、Kさんが九州で開催された全国研修会で知ったもので、そこで自治体ごとの温度差を実感したKさんが 私を介して市(障害福祉課)に水を向けても「国や県から通達が無い。今はそれを待とうと思う」程度の消極姿勢に止(とど)まっていることから「そんなんでイイの?」と、じれったい思いを募らせておられるのでした。

聞けば、厚労省の担当である「厚労省 社会・援護局 障害福祉課」の就労支援専門官(S氏)は「呼ばれれば喜んで講演(情報提供)に行く」とのことだそうなので、Kさんやご関係者と相談しながら、ここ長野エリアにおいても この新たな取り組みの情報共有の場を設けてゆきたいと思ったところでありました。

いずれにしても、障がい者支援を取り巻く環境が変わりつつある中、肝心の当事者(障がい者ご自身・施設や団体等の関係者)こそが変わってゆくべきであることを再認識させられたものであります。

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